F.T.Pile構法は、既製コンクリート杭(PHC杭、SC杭、PRC杭、各種既製杭)に対応した杭頭半剛接合構法(杭頭半固定工法)です。
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Q&A

F.T.Pile構法についての質問にお答えします。
No.
設計に関する質問一覧
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Q1.
第3者がF.T.Pile構法を実施することはできますか。
A1.
本構法の設計および施工は、本協会に所属する杭メーカーが技術指導を行うことで、実施することができます。
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Q2.
F.T.Pile構法の設計クライテリアを教えてください。
A2.
日本建築センター評定(FD0141-06)において、以下のような設計クライテリアを設定しています。
杭頭接合部と杭の設計クライテリア
部位 杭頭接合部 杭体
標準タイプ 引抜き対応タイプ
曲げ・軸力 回転角≦θac 回転角≦min( θac , θas ) 短期許容耐力以内
せん断  パイルキャップのコンクリートの短期許容せん断力以内  短期許容耐力以内
θac:パイルキャップのひび割れ発生限界によって求まる回転角
θas:引抜き抵抗用鋼棒の短期許容応力度から求まる回転角
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Q3.
長期水平力(偏土圧)が作用する構造物に対し、本構法の採用は可能ですか。
A3.
本構法は、(一財)日本建築センター(以下、BCJ)より一般評定を取得しています。BCJ一般評定は短期許容時の性能を対象としており、長期水平力(偏土圧)が作用する構造物への本構法の採用の可否は、構造設計者の判断となります。
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Q4.
終局時は対応していますか。
A4.
終局時の基礎の設計に関しては、原則として構造設計者の判断となります。
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Q5.
杭頭変位に関する制限はありますか。
A5.
杭頭変位に関する許容値は設定していません。ただし、杭頭の許容回転角を設定していますので、過大な変位が生じる場合は回転角で制限が生じる場合があります。
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Q6.
水平地盤反力係数はどのように設定していますか。
A6.
日本建築学会の建築基礎構造設計指針に基づき、基準水平地盤反力係数kh0とその非線形特性を考慮しています。
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Q7.
杭周部において、杭頭までセメントミルク固化体が充填されている場合、杭頭の回転性能に影響はありませんか。
A7.
杭頭部周辺の固化体を取り除き、FTキャップを適切に設置すれば、杭頭の回転性能に影響はありません。
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Q8.
杭中空部において、杭頭までセメントミルク固化体が充填されている場合、杭頭の回転性能に影響はありませんか。
A8.
パイルキャップ (基礎フーチング)と杭頭の接触面は、中空形状(ドーナッツ形状)であることを前提として、杭頭の回転剛性を算定しています。一般にセメントミルク固化体の剛性は、杭体の剛性と比較して小さいため、杭中空部にセメントミルク固化体が充填されていたとしても、回転性能に与える影響は小さいと考えられます。
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Q9.
短期水平力作用時にパイルキャップ (基礎フーチング)に生じる支圧応力度はどのように考えますか。
A9.
杭頭の回転角を許容値以内に収めることで支圧に対する安全性を確保します。本構法では、杭頭の回転角が設計クライテリアを満たしていれば構造安全上問題ないことを構造実験により確認しており、評定で認められています。
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Q10.
パイルキャップ (基礎フーチング)の高さに規定はありますか。
A10.
評定上、パイルキャップの高さに規定はありません。ただし、杭頭接合部の許容せん断耐力は、杭頭部から45°の広がりを持つ破壊面を想定しているため、パイルキャップの高さは、「杭頭の埋込み深さ+へりあき」以上とすることが妥当であると考えられます。また、引抜き対応タイプの場合は、杭頭部に引抜き抵抗用鋼棒が設置されますので、そのかぶりを確保できるだけのパイルキャップの高さとする必要があります。
F.T
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Q11.
パイルキャップ(基礎フーチング)へは、どれくらい杭頭を埋め込みますか。
A11.
埋込み深さ(Lc)は、原則として、50mm < Lc ≦ 150mm の範囲内としています。
施工精度管理値
部位 項目 許容差 許容差を超えた場合の対策
杭頭部 パイルキャップへの
埋込み深さ
埋込み寸法:Lc
50mm<Lc≦150mm
施工監理者、設計者と協議のうえ、補強等の対策を講じる
杭とフーチングの
へりあき
杭心ずれ:±100mm
F.T
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Q12.
杭の低止まりや高止まりにより、パイルキャップ (基礎フーチング)への埋込み深さ(Lc)の管理値を外れてしまう場合は、どのような対処案が考えられますか。
A12.
杭の低止まりの場合には、杭頭のパイルキャップへの埋込み深さを確保するように、パイルキャップ下端レベルを下げる対処案が考えられます。
杭の高止まりの場合には、杭頭のパイルキャップへの埋込み長を規定値以内となるよう、パイルキャップ下端レベルを上げる対処案が考えられます。
F.T
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Q13.
複数本の杭を配置するパイルキャップ (基礎フーチング)において、杭頭レベルが一番高い箇所と一番低い箇所の許容杭頭差はありますか。
A13.
杭頭差に対する管理値は特にありません。本構法においては各杭のパイルキャップへの埋込み長さLc(Lc:設計長以上かつ50㎜<Lc≦150㎜)を確保することが重要となります。なお、同一パイルキャップ内において杭頭差が生じた場合、パイルキャップ下端レベルに段差を設けるなどの対策が考えられます。
F.T
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Q14.
引抜き抵抗用鋼棒の有効長とはどこを指しますか。
A14.
引抜き抵抗用鋼棒の両端は、圧造加工されたボタンヘッド形状となっています。有効長は実長からボタンヘッド厚さを除いた長さとなります。ボタンヘッド部の厚さは7.0~8.5mmで製作されているため、設計上は引抜き抵抗用鋼棒の全長から20mm(片側10mmずつ)を引いた値を有効長として計算しています。
F.T
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Q15.
引抜き抵抗用棒鋼の最小本数と最大本数に関する規定はありますか。
A15.
評定上、引き抜き抵抗用鋼棒の最小本数の規定はありません。
構造設計者の判断となりますが、バランスよく配置するためには最低4~6本が必要と思われます。最大本数については、杭体の引張耐力と杭頭端板の仕様によって決定されます。
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Q16.
引抜き対応タイプを適用する場合に、FTキャップに杭頭端板のボルト孔全数分の孔を設けることに問題はないですか。
A16.
FTキャップに、杭頭端板のボルト孔全数分の孔を設けることについては構造性能上の問題はありません。ただし、引抜き抵抗用鋼棒の設置本数は、設計図書に記載されている本数としてください。
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Q17.
引抜き抵抗用鋼棒の配置方法に規定はありますか。
A17.
引抜き抵抗用鋼棒の配置に規定はありませんが、なるべく均等に近い配置となるように設置してください。

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