F.T.Pile構法 -日本建築センター評定工法-
F.T.Pile構法は、既製コンクリート杭(PHC杭,SC杭,PRC杭,各種既製杭)に対応した杭頭半剛接合構法(杭頭半固定工法)であり、多数の適用実績があります。杭頭接合部を半剛接合(半固定接合)とすることで、杭基礎の耐震性能を高める技術です。引抜き力にも対応しており、一般的な埋め込み杭工法はもちろん高支持力杭工法に適用することで、過大に作用する杭頭モーメントを低減することができます。
F.T.Pile : Flex. Top. Pile
杭頭半剛接合
従来、杭基礎構造物の杭頭接合部は、杭と基礎を剛接合にしていました。しかし、杭頭を剛接合とした場合、地震時には杭頭部に大きな曲げモーメントが作用するため、杭は損傷を受けやすくなります。阪神・淡路大震災では、剛接した杭の頭部が損傷し、多くの建物に沈下や傾斜の被害が発生しました。F.T.Pile構法は、杭頭と基礎を半剛接合にすることで、杭基礎の耐震性能を向上させるとともに、基礎構造の合理化を可能にします。
杭頭を接合した杭の被害例
従来構法では、定着鉄筋等を用いて杭頭と基礎を剛接するため、杭頭部が回転できない構造となります。このため、地震時には杭頭部に過大な曲げモーメントが発生し、損傷・破壊の要因となります。F.T.Pile構法では、定着鉄筋を用いずに、FTキャップを用いて杭頭と基礎を接合します。地震時には杭頭部が回転するため、杭頭部の曲げモーメントを低減し、損傷を大幅に軽減します。
地震時の杭頭の動き
FTキャップの設置状況